金と不倫の果てに (その13)
次の日、保雄は会社の中川を誘ってスナック「明美」に行く事に
した、保雄にはこの「明美」と言う店は、初めて来る所だった
店の中は、早い時間であったのに、お客が8人ほど入っていて
カラオケを唄っていて賑やかだった、二人はカウンターに座り
ビールを頼んだ「お絞りどうぞ」とカウンターの中の女性が渡し
てくれた、実はその女性は、この店の常連の、広中進の愛人
の杉野花江だった、そんな事は、全く知らない二人は「どうも
ありがとう」といいお絞りで手を拭った、保雄は「すいません
私は興信所の者ですが、実はある人から頼まれて、こちらに
時々こられる、市村加代子さんと友人の井上美江子さんと
言う方の事を、調査依頼されまして伺ったんですが」と言うと
「どんな事です」と言った「実は一昨日の29日の夜10時から
12時まで加代子さんは友人の井上美江子さんと、ここのお店
で飲んでいられたと言う事ですが、間違いは無いでしょうか?」
「あぁ、その事でしたら、間違いないですよ、私の他にも見ていた
方は何人かいましたので」「そうですか」と保雄は少しがっかりし
たが「その事は昨日も刑事さんが来て聞いていかれましたよ」
「そうですか、すいませんがその市村加代子さんが、このお店で
誰か男性と仲良くされていたと言う所は見ていませんか?」「あぁ、
見ましたよ、でも私達もそういう事はこの店では、当たり前です
から、気にしていませんし、そんな事をいちいち気にしていたら
商売にならないですからね」「そうですか」杉野花江は前々から
広中に「どんな奴にも俺の名前は絶対言うなよ!」と言われて
いたので、加代子と美江子が、広中とここで会うたびに話して
いる事は、保雄には言わなかった、保雄は「いや、どうもありが
とうございました」と言って又、中川とビールを飲んだ、それから
1時間ほど飲んで二人は「明美」を後にした途中、保雄は中川に
「田中信也をやる動機があるのは、加代子か長男の茂しかい
ないと、思っていたが、もう一度、調べ直しかな?」と言った。
井上修一は夜、久しぶりに妻の美江子に話し掛けた「分っている
と思うんだが、俺、お前と別れたいんだがな」と言うと、美江子は
「何時、言い出すかとずーと思っていたわよ!いいわよ、その
代わりそれなりの報酬は頂くわよ」「分っているよそれで幾ら出
したらいいんだ」「そうね、現金で300万はないと私の今後の
事もあるしね、300万揃えてくれれば、何時でもいいわよ」と
言うと修一は「少し高いんじゃぁないか?」「だめ、一円でもまけ
ないわよ!」といい美江子は自分の部屋に行ってしまった、修一
は「300万か良子に500万と言って出させる以外に無いな」と
思い良子に明日会えるか電話した、良子は直ぐ「OK」と言う事
になり、明日よる何時も行くホテルで会う事にした、次の日の夜
修一は良子と何時も行くホテルで会った、二人はシャワーを浴び
て、ベットに入り、何時もの情事が終わった後、修一は良子に
「うちの奴に、幾ら出したら別れるか、聞いたんだが500万円を
一円でも足らなかったら離婚はしないって言ってきやがってな!
お前、旦那に旨い事言って金、引き出せないか?」「あんた500
万円は高いよ!あんた足元見られてんだよ!」「俺も高いから
まけろって言ったんだが、あの気の強い女が負けるはず無いよ」
と修一はいい「良子、何とか頼むよ、そうすれば一緒になれるじゃ
ないかよ」と言って良子を抱き寄せてキスした良子は「あんたもし
私が、あんたの奥さんを殺してと言ったら殺してくれる?」と聞い
て来た、修一は一瞬とまどったが「あぁ、殺せるよ、しかし殺して
も、一人じゃぁ、遺体の始末が無理だからお前も手伝ってくれない
と、無理だよ」良子は「あ、はははは!」と笑いながら「冗談だよ!
あんたを試しただけだよ」「あぁ、分ったよ金は私がなんとかするよ
その代わり、私のほかに女でも作ったら本当にあんたを殺すよ!」
といい修一を脅した、修一は「あぁ、絶対にお前以外、最高の女は
いないと思っているから、信じてくれよ」と言った。

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