金と不倫の果てに (その6)
広中が「加代子ちゃんは今、何処に住んでるんだよ」と聞いた
加代子は何か思い出したのか「あぁ、いま、松風町にいるよ」と
言って「実は、つい最近、娘が自殺したんだよ」と広中に言った
「自殺!」と広中は驚いて言った、「何が原因なんだ?」と言うと
加代子は「智子は殺されたようなもんだよ!智子の会社の田中
信也と言う奴にね」「どう言う事だよ?」と広中が聞いた「智子は
ずっと、その田中信也と言う男と、付き合っていたんだけど結局
だまされたんだよ」広中は「うーん」と言って「悪い男に引っか
かってしまったんだ」「あぁ、あいつは智子を捨てて出世の為に
そこの会社の一人娘と婚約したのが、智子にはショックだった
んだろうと思うと、あの男が殺したいほど憎いね!」と加代子は
唇を噛み締め、興奮したのか、グラスに入った焼酎を一揆に
飲んだ、広中は加代子の開いたグラスに焼酎を注ぎ「悔しい
のは良く分かったよ、今日は飲むか!」といい加代子を慰めた
広中は「俺は何時もこの店に来ているので又、来てくれよな」
と加代子に言った「あぁ、又来るからね」広中は「そうだ俺の
携帯番号だから」と言って、メモを貰い書いて加代子に渡し
「何かあったら又、電話してよ」といい、広中はカウンターの中
にいる杉野花江と話していた、井上美江子は二人の話をずっと
聞いていた、彼女も又夫の浮気で悩んでいる女性の一人だった
初めは彼女も怒って、焼餅も焼いたが最近は、何も言わずに
いた、子供のいなかった美江子は市内のデパートで、もう20年
近く働いていた、そこの上司の水野博に憧れは持っていたが
特に何かがある、と言う関係では無かった、美江子はかなり
気の強い女性で、我慢強さも、持ちそなえる、性格だった
夫の修一から離婚の話があれば、慰謝料を貰って何時でも
別れてもいいと思っていた、そんな夫婦だったので、現在は
家庭内別居の状態であった。
それから1ヶ月ほどたった、雨の降る8月14日の6時半頃に
広中進の妻の文江が勤める、市内にある手造り弁当の専門
会社の帰りに、彼女は後ろから来た、車に跳ねられたその車
は止まらずに、彼女を跳ね、そのまま逃走した、目撃者の
叔母さんが直ぐに救急車を呼び、市民病院に彼女は搬送され
たが、その1時間後に脳内出血で死亡した、平塚警察から刑事
と鑑識が来て直ぐに、現場検証が始められた、第一発見者で
119番した、叔母さんに話を聞くと、白い乗用車がかなりの
スピードで、後ろから歩いている彼女を跳ねて、そのまま逃げて
行ったと話してくれた、現場検証の結果、テールランプとフロント
ガラスの破片が見付かり、これで車種の特定は出来るが、タイヤ
混を取るのは雨の為無理だった、警察は手荷物から保険証を
探しこの女性が広中文江49歳で平塚市桃浜町6-12に住んで
いる事が分った、警察は病院から、電話で広中の自宅に電話を
入れたが中々出なかった、1時間半が過ぎて、電話するとやっと
「もしもし」と広中が自宅に、戻ったのか電話に出た、警察は「夜分
すいません平塚警察ですが、ご主人ですか?」と言うと彼は警察
と聞いて「シャキ」とした感じになり「はい」と言った、警察は「お宅
の奥さんの、広中文江さんが夕方6時半頃に、車に跳ねられて
亡くなられましたので直ぐに市民病院に来てください」と言った
広中は急いでタクシーを飛ばし市民病院に向かった。

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